,こだわり

「仕事したくないのか?」

「仕事したい」

はっきりそう言った私に、彼は意外そうな顔をした。

「そうなのか。何で仕事したいんだ?」

「自分で働いた報酬で生活したいから。親の仕送りで暮らしているのは恥ずかしい」

浩哉は私の髪を手に取った。

「お前にそんな自立心があるとは初めて知ったな。お嬢様でそんなこと考えていないのかと思った」