病院へ通うようになって私は、音が飛び交うようなところに居るとこめかみが痛くなって苦しくなることや、何かが気になると視線が外せなくなることなども、異常なことなのだと知った。

実は私は子供の時のことを明瞭に覚えているわけではないので、はっきりとは言えないのだが、多分幼い時からそういうことはあったと思う。

しかし私はそれを当たり前のことだと思っていたのだ。

そしてその延長にパニックがあることも自覚していなかった。

女医はそのことを自覚させてはくれたが、特効薬はないと言った。

私には少量の眠剤と頓服として安定剤が処方された。