Valentine Fake(Intron crack企画)

「……」

彼女の濡れた瞳を見つめたまま、俺は大きく深呼吸した。


「俺が言う……裕美……愛してる」


彼女の大きな瞳が更に大きく広がった。

びっくりしたような表情になる。

去年の夏休み、家族で行った隣街のテーマパーク。

同じように家族で来ていた裕美と偶然会った時もこんな表情をしたね。



「もう一回……言って」

「愛してる……愛してる裕美」

彼女の瞳から更に涙がこぼれた。