Valentine Fake(Intron crack企画)

ああ……俺は馬鹿だ。

裕美の言う通り俺は馬鹿だ。


彼女の気持ちよりも、何よりも……自分の気持ちにさえ長い間、フタをしていたのかもしれない。


「私……わた……」

俺は無意識に右手を彼女の口に当てていた。



「言っちゃダメだ」


彼女の表情に不安の色が広がる。




「そんな事……お前も口から言っちゃダメだ」