「行くぞ!」

「ちょっ!聞いてるの!?」

 雪也は無視して砂浜の方に歩き出す

「もう!」

 私は怒り後を追う

「バイクは速度を落としたら倒れる危険性があるから曲がる手前で少し減速して
 ある程度速度を上げてブレーキせずに曲がる方向に体の重心を
 かけて曲がるんだ!後ハンドルだけで曲がろうとしても倒れる!
 だから曲がる方向に体の重心をかけて曲がるんだ!
 それが普通だ!覚えておけ!」

「う、うん」

「もうすぐ綺麗な景色が広がるぞ」

「わぁ~~~!月の光が海に映って綺麗」

「だろ?」

「しかも満月」

「連れて来れて良かった」

「ありがとう」

「此処を見て過去の思い出を忘れて欲しい」

「無理」

「なら俺が忘れさせてやる」

「出来るものならやってみなさい」

「やってやる!ほら!」

「雪也は私に紅茶を投げる」

「わっと、ありがとう」

 私は受け取り飲む

「ふぅ、今日も潮風が気持ち良い」

「よく来るの此処?」

「ああ、作詞に行き詰ったら此処に来て潮風に当って全てを忘れる、そしたら
 良いのが浮かぶ」

「そうなんだ」

「ああ、しかし11月の海は最高だ♪」

 それから1時間話し帰路につく

「此処から実家が近いから実家に行くぞ!」

「あんたの実家に?」

「ああ」