「わ!なぁ、すげぇ!雲だ雲!」


ヒロが小さな四角い窓の外を見て声を弾ませた。

即座にオレは身を乗り出す。


「……うぉっ!ヤバッ!」


外はまるで霧に包まれたような世界。

飛行機のハネからは白い煙が何本も線を引いていて。

地上では絶対に見られない光景だった。


「なんかこの景色、“ラプタ”っぽくね!?」

「ヒロおめぇそれ言うなら“ラピュタ”だろ?言えてねぇよ」


数年振りの飛行機体験に、オレらのテンションは急上昇。

(イヤホンを付けたまま横で寝ているセイヤを起こそうとしたが、後が怖いから止めておいた。)


今日は待ちに待った修学旅行。

恐らくこれは、オレの人生最後の修学旅行。


楽しむぜぇー。

アスカもいないしな。


ケッケッケ!!