「あら、あの子は甘いのは苦手だけど嫌いなわけじゃないのよ? それにお客様が来ているんだもの、頼べばちゃんと買ってきてくれるわ」
「まあ・・・」
風人が納得しているところへリビングのドアが開いて、優子とお揃いの白いジャージ姿の奏多が姿を現す。
「出ました。ありがとうございます」
「早っ!」
「男は手早く風呂に入るもんだぜ」
「カラスの行水の間違いじゃねぇか?」
風人と奏多のやりとりをしり目に、京子が立ち上がる。
「ねえ、優君。支度するから久音を呼んで来てくれる?」
優子にしか聞こえないような小さな声で頼みごとをすると京子はキッチンに消えていった。
用を頼まれ一瞬迷ったが、言い合う奏多と風人をそのままに立ち上がる。
リビングを出て行く優子を一朗が追いかけていく。
「あれ、一緒に行くの?」
すぐ後ろにいる一朗に気づいた優子は一朗を抱かかえ、廊下を通って階段を上がる。
久音の部屋に近づいていることが判るのか、一朗の尻尾が激しく揺れていた。
優子は久音の部屋の前で立ち止まってノックをする。
「京子さんがケーキの用意をしているんですけど」
そうドア越しに話し掛けると、すぐにドアが開かれた。
「もうお風呂に入ったの?」
「あ、はい、奏多も出て下にいます」
「ずいぶんと早いんだね?」
「奏多に言わせると男は手早く風呂に入るもんだそうですから」
「あはは、そうか」
話しながら一緒に階段を降りる。
優子の胸の中にはちゃっかり一朗が収まっていた。
「まるで一朗のご主人様はキミみたいだ」
「ああ・・・。昔から犬には特に好かれるみたいで、さっきも風人とその話をしていたんですよ」
「・・・キミと風人は仲がいいみたいだね?」
「え? まあ、同じ研究グループの付き合いもありますが、わりと馬が合うみたいなんです」
「そうか・・・」
リビングのドアを久音が開けて、そこで会話が途切れた。
別にそのことに優子も気を止めることはなかったが、久音の方はそうではなかったのだ。
「馬が合うか・・・」
誰にも聞こえないほどの小さな声で久音は呟くと、小さく苦笑した・・・・・・。
「まあ・・・」
風人が納得しているところへリビングのドアが開いて、優子とお揃いの白いジャージ姿の奏多が姿を現す。
「出ました。ありがとうございます」
「早っ!」
「男は手早く風呂に入るもんだぜ」
「カラスの行水の間違いじゃねぇか?」
風人と奏多のやりとりをしり目に、京子が立ち上がる。
「ねえ、優君。支度するから久音を呼んで来てくれる?」
優子にしか聞こえないような小さな声で頼みごとをすると京子はキッチンに消えていった。
用を頼まれ一瞬迷ったが、言い合う奏多と風人をそのままに立ち上がる。
リビングを出て行く優子を一朗が追いかけていく。
「あれ、一緒に行くの?」
すぐ後ろにいる一朗に気づいた優子は一朗を抱かかえ、廊下を通って階段を上がる。
久音の部屋に近づいていることが判るのか、一朗の尻尾が激しく揺れていた。
優子は久音の部屋の前で立ち止まってノックをする。
「京子さんがケーキの用意をしているんですけど」
そうドア越しに話し掛けると、すぐにドアが開かれた。
「もうお風呂に入ったの?」
「あ、はい、奏多も出て下にいます」
「ずいぶんと早いんだね?」
「奏多に言わせると男は手早く風呂に入るもんだそうですから」
「あはは、そうか」
話しながら一緒に階段を降りる。
優子の胸の中にはちゃっかり一朗が収まっていた。
「まるで一朗のご主人様はキミみたいだ」
「ああ・・・。昔から犬には特に好かれるみたいで、さっきも風人とその話をしていたんですよ」
「・・・キミと風人は仲がいいみたいだね?」
「え? まあ、同じ研究グループの付き合いもありますが、わりと馬が合うみたいなんです」
「そうか・・・」
リビングのドアを久音が開けて、そこで会話が途切れた。
別にそのことに優子も気を止めることはなかったが、久音の方はそうではなかったのだ。
「馬が合うか・・・」
誰にも聞こえないほどの小さな声で久音は呟くと、小さく苦笑した・・・・・・。

