私は、坂上の顔に手を伸ばすと、彼の眼鏡を奪い取った。 「ふ、ふ、ふ。これなら止まるしかないでしょ。もし返して欲しければ……」 お姫様抱っこからおんぶに変えて そう続くはずの言葉は、私の唾とともに飲み込まれた。