少し重たい木の扉を開くと、店内は明るくなりすぎないように気を配られた

ムードのある間接照明で照らされています。

オリーブオイルとニンニクとチーズの香りが漂う、そこはイタリアンレストランでした。


「いらっしゃいませ、ご予約はございますか?」

背の高いウェイターが営業スマイルで私に話しかけてきました。

「いや、ないんですけど……いけますか?」

答えようとした私を制して返事をしたのはソウタロウさんです。

「少々お待ちください」

ウェイターは予約の状況を確認するためか、レジの方に早足で歩いて行きました。

「すいません、平日だと思って油断してました」

そう言いながら笑うソウタロウさんは、やっぱり真面目でいい人そうです。