それから私はそのままステージで眠りこけ、気づけば昼過ぎになっていました。

少し慌てて事務所らしき部屋に戻ると、山のような空き缶や空き瓶のなかに、赤い顔のユキさんと青い顔のジュンペーさんが埋もれていました。

私はジュンペーさんの机にあったメモに先に帰るという書き置きを残して、ライブハウスを後にしました。

とりあえず最寄の駅まで歩こうと、細い坂道をふらふらと歩いていきます。

そういえば、と携帯電話を取り出すとランプが光っていました。

ステージの上でマキトからかかってきた電話を取らないままでいたので、不在着信の履歴が残っているはずです。

私は携帯を開いて画面を見ました。

しかし、そこには電話がかかってきた記録はありませんでした。

代わりにあったのは[新着メール:2通]の文字。

私は不思議に思って受信ボックスを開きます。