一瞬、凍り付いたように手を止めたマサユキ。
 そして、目の前にマサユキが居ることに驚いて、ジルも、一瞬、目を丸くした。けれど、すぐに気を取り直すと、マサユキの体をさっと交わし、わたしの方へ走り寄ってきた。そして、わたしを背に庇うと、
「今、警備員を呼んだから、すぐに部屋に来ると思うよ」
 と、悠々とした口調で、マサユキに向かって言った。
 そして、すぐに、部屋のチャイムが鳴る。
 マサユキは舌打ちをすると、ドアを開けて、部屋を飛び出して行った。