一瞬ドキッとしたが、電話をかけてきた相手が犬飼猛だとわかると、麻里子はほっとした。


麻里子はふと携帯に表示されている時間を確認した。


午前8時32分


いつもならとっくに仕事に出かける時間だ。


普段この時間まで寝ることなんてない。


それでも頭がすっきりしないのは昨夜の夢のせいだろうか。


麻里子は深くため息をついた。