ふとテーブルの上に目をやると、麻里子と近藤愛の携帯電話が置いてあった。


そういえば昨夜の着信……


ふと麻里子の頭に伊藤先生の顔が浮かんだ。


伊藤先生は同窓会のとき、携帯電話が鳴ったあと亡くなった。


だとしたら……


いや、違う。


昨夜のあれは夢だ。


きっと、いろいろあって疲れてたんだ。


そうに決まってる。


でも……


気になる。


麻里子は自分の携帯に手を伸ばした。


大丈夫。


あれは悪い夢だ。


そう何度も自分に言い聞かせ、麻里子は恐る恐る携帯の画面を開いた。