自分と近藤愛のふたりしかいるはずがない部屋に、3人目の気配を麻里子は感じていた。


ま、まさか……


時枝……絵里香なの……?


金縛りにあっている麻里子は声が出ない。


いったい、何が起こってるの⁉︎


……ヤダ……シ……ニ……タク……ナイ……


視界の端で近藤愛が助けを求めている。


おそらく枕元に誰かが立っていて、顔を覗き込むようにして見ているのだろう。


ゆっくりと“それ”が、近藤愛の顔に近づいていくのが見えた。


その直後、


ゴキ……‼︎


鈍い音がした。