その夜、麻里子は寝苦しさから目を覚ました。


内容は覚えていないが、きっと悪い夢でも見たんだろう。


首にはびっしりと汗をかいていた。


麻里子は乱れた呼吸を整えると、壁にかけられた時計に目をやった。


時計の針は午前3時06分を指している。


真っ暗な部屋のなかには月明かりが差し込んでおり、ぼんやりと天井が見えていた。