「大丈夫。落ち着いて。幽霊なんてこの世にいないから」


麻里子はなんとか彼女を落ち着かせようと声をかける。


だが……


「あなたは49日をやったことがないから、そんなことが言えるのよ!」


落ち着きを見せるどころか近藤愛はさらに逆上し、真っ赤に血走った目で麻里子を睨みつけた。


掴まれた腕に彼女の爪がギリッと食い込む。


「いい!? 49日で呼び出した人間はね! 儀式をした日から49日間はこの世にいるの! いまだって、私たちを見てるかもしれない!」


そう言って、近藤愛はキョロキョロと辺りを見渡した。


完全に恐怖でおかしくなっている。


「伊藤先生は呪われた、時枝絵里香に殺された……」


「近藤さん……」


「来るな! 来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るなぁ!!!!!」


心配そうに見つめる麻里子をよそに、近藤愛は部屋の片隅へと逃げていく。


そして今度は、同じ言葉を呪文のように繰り返しはじめた。