……呪……わ……れ……る……?


近藤愛の言葉が頭のなかに文字となって浮かんだ。


呪いなんて、あるわけがない。


そう思っているのに言葉にならないのは、


伊藤先生の遺体をさっき見てきたばかりだからだろう。


とても数時間前まで笑っていた人の姿じゃなかった。


そのときだった。


「ねえ! お願い! 助けて! 時枝さんに殺される!」


近藤愛が麻里子に物凄い勢いでしがみついてきた。