「こ、高校のとき……友達の彼氏が事故で死んじゃったの。それで、どうしても忘れられなかった友達が、その彼を呼び出したいって言い出して……」


「それで? どうなったの?」


続きが知りたい麻里子は思わず声をかける。


何かを思い出した近藤愛は身体を小さくすると、再び話を続けた。


「私たちは……平気だったんだけど……その……友達が……」


「友達が? どうしたの?」


急かすように麻里子が聞くと、


近藤愛はゴクリと唾を呑み、


そして……言った。


「……死……んだ」


…………死


ガタン!


気付かないうちに麻里子はテーブルの上のコーヒーをこぼしてしまった。