「もしもし?」


「……あ」


「?」


「……ミツル?」


聞こえて来たのは男性の声だった。


「……誰?」


「誰? なんだよ。俺だよ、俺、わかんねえの?」


自分の名前は名乗らず馴れ馴れしく声をかけてくる電話の相手。


「俺、俺」と名前は名乗らなかったが、独特な声と上から見下したような喋り方で、ミツルには電話の主が“誰か”わかった。


「アキラ?」


「ああ」