「正確に言うと、時枝絵里香が自殺した理由。みんな、自分たちのイジメが原因だって思ってるだろ?」


「……」


麻里子の頭にあの日の光景が蘇る。


黒板に書かれた血の文字。


全員の名前が書かれていた。


もちろん……


“渡瀬麻里子”という自分の名前も例外じゃない。


「あんな死に方したんだ。時枝が俺たちを憎んでないはずがない。けど……自殺にまで追い込んだ理由は他にあったんだ」