午前0時。


同窓会とは聞いていたので多少遅くなることは覚悟していたが、こんなに遅くなるなんて思わなかった。


家族がいる人、門限がある人、明日仕事の人。


それぞれ早く帰らなければいけない理由があるのに、誰ひとり途中で帰ることは許されなかった。


「よし、はじめるか」


加藤明が鈴木早苗に合図を送る。


指示を受けた鈴木早苗は部屋の電気を消してもらうよう店のスタッフに伝えた。


店側にはサプライズで友人の誕生日を祝うと伝えてあるらしく、鈴木早苗が部屋に戻ってきてほどなくすると電気が消えた。


その瞬間、部屋のなかが真っ暗になる。


麻里子はゴクリと唾を飲み込んだ。