あの日、時枝絵里香が死んだ日……


私たちは彼女の死体を目の前にして、


自分たちのしてきたことを反省する前に、


まずこの状況をどうするかを話し合った。


そのときの光景はいまでも忘れられない。


ほんとに醜いものだった……


「おれのせいじゃない!」


「私のせいじゃない!」


「お前のせいだ!」


「あんたのせいよ!」


みんなこの状況を、自分ではない誰かのせいにしてしまえ!と、必死だった。


もちろん……私もそのひとり。


ただ口に出さなかっただけで、心のなかでは同じことを思っていた。