「あ、ごめん。もうすぐ電車乗るから。また落ち着いたらメールするね」


早苗は携帯を切ると、死んでいる美佳にゆっくりと近づいた。


「ごめんね、美佳ちゃん。合コン中止になっちゃって」


申し訳なさそうに謝る早苗。


恐怖のまま死んだ美佳の形相は凄まじいものがあり、カッと見開いた目玉が半分落ちかけている。


「そうだ、お詫びにその白のワンピースあげるよ。……あ、ゴメン。もう“赤色”のワンピースか」


返事のない美佳に早苗はクスクス笑いながら声をかける。


「でもよかったね。美佳ちゃん好みのワンピースになって♪」


早苗はそれだけ言うと、カラオケルームを出ていった。


そして、歩きながら誰かに電話をかけはじめた。