「えっ?」


アルコールの缶を口に運びながら健太郎が早苗の顔をのぞきこんだ。


「いや、なんかボーッとしてるからさ。もしかして退屈?」


「ううん。そんなことないよ。ちょっとボーッとしちゃっただけ」


「そう? だったら、いいんだけど」


そういって笑ってごまかす早苗。


そのとき、トイレで席を立っていた愛里が部屋に戻ってきた。