時枝絵里香をトイレに閉じ込めたとき。


個室の上からホースで水をかけたのは自分の意思じゃなかった。


いつだってそうだ。


こうしたらおもしろくない?
あれしたらウケるよね!


提案はしても、実行するのはいつも私。


早苗にとって、美佳の言葉はいつも“命令”だった。


「……ううん。なんでもない」


早苗がそういうと、美佳は再び笑顔に戻った。


そして……


「ほら、時間がないんだから。早く早く!」


美佳は早苗の意見など聞こうともせず、


トイレの個室に引っ張りこむと、服を脱ぎはじめた。


はじめから、早苗に選択肢なんてなかった。