「なんだ、半分くらいか。じゃあ、説明したほうがいいかな」


加藤明はそう言うと、知らない人間のために49日という遊びについて話しはじめた。


「まぁ、簡単にいうと、49日ってのは遊びっていうより儀式……こっくりさんみたいなもんっていえば、オマエらも少しはわかるか?」


こっくりさん。


やったことはないけど、それなら麻里子も知っている。


たしか、あかさたな、などが書かれた用紙のうえに10円玉を置き、数人が指でその10円玉を押さえる。


そして


『こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいましたらおいでください』


そう唱えたあと、聞きたいことを質問をする。


こっくりさんがその場に来ていれば、指を置いている10円玉が用紙の上で動き出し、質問に応えてくれるというものだ。


たぶん、私たちの親世代ですら知っている


日本でもっとも有名な


“やってはいけない遊び”


そのひとつだろう。


そのこっくりさんと似たようなもの。


その説明だけで、不気味な印象は受けるが……


「儀式って……それをやると、どうなるの?」


おそらく麻里子と同じことを思っていたんだろう。


加奈子が聞き返した。


加藤は「ああ」と答えたあと、少し間をおいてから言った。