ピタリと訪れた静寂。


時間にすると一秒もないだろう。


そのわずかな時間のなかで、彩は妙に冷静になれた。


なんで、次に殺されるのが私だったんだろう?


伊藤先生、吉田省吾、近藤愛……


この3人と自分に、何か共通点があったんだろうか……?


わからない。


やっぱりランダムに呪いはかけられているの?


それとも……


49日という儀式に、何か重大な“秘密”があるとしたら?


例えば………………





そこまで振り返った次の瞬間、


彩を乗せたエレベーターは一階に向かって急降下した。


実はこのとき、彩は49日の秘密に近づきかけていた。


でも……


それを誰に伝えることもなく、彩の短い人生に幕が降りてしまう。