カラカラの喉にゴクリと唾を落とす彩。


恐る恐る自分の右手に目を落とす。


「あ……あ……」


いつの間にか彩の右手に白い手が巻き付いている。


振りほどこうと頭で思っても、体が動かない。


それどころか、白い手に持ち上げられ、ゆっくりとエレベーターのボタンを押そうとしている。


……ダメ!


このボタンを押しちゃ……!


なぜかわからないけど、そんな気がした。