「あの、すいません。エレベーター止まっちゃったんですけど、誰かいませんか?」


マイクらしきところに声をかけてみる。


でも反応はない。


彩はさっきよりも強い口調で声をかけた。


「すみません! エレベーター止まっちゃったんですけど、誰かいませんか!?」


再び声をかけて向こうからの反応を待ってみる。


でも返事はかえってこない。


なんで誰もいないの!


そう……思ったときだった。


スピーカーの向こうから、ひび割れたノイズのような音が聞こえてきた。


ガガガガガ……ガガガッ……ギギ……ガガガガ……