雨が降っていることもあり、遠藤大輔はマンションの前まで車をまわした。


「ありがと」


「おう」


サイドブレーキをひいた大輔が元木彩に顔を向ける。


続いて奈津美が、ゆかりが、順番に声をかけた。


「もっちゃん、また後で連絡して。明日のこと決めなきゃいけないし」


「うん、わかった」


「じゃあね」


「うん」


車のなかでみんなと軽く別れを告げる彩。


早ければまた明日会うことになる。


そんな軽い別れだった。