「近藤さん、前にも49日やったことあるみたいなの」


「えっ!? それ、ほんと?」


「うん。高校のときにね、儀式をやろうって言い出した子がいたらしくて」


「それで、近藤さんも49日をやったってこと?」


佳奈子の問いかけに、麻里子はうなずく。


「でもそのとき、近藤さんは無事だった、ってことだよね?」


もう一度、麻里子はうなずく。


「ってことは、やっぱりただの都市伝説ってこと?」


佳奈子は少しほっとした表情を浮かべながら麻里子に聞いた。


でも、この問いに対し、麻里子は首を横に振る。


「……えっ?」


「近藤さんは平気だったけど。そのなかのひとりが、死んだって」


――死んだ。


麻里子の言葉に遠藤大輔はゴクリと唾を飲んだ。


「マジかよ……」


麻里子は静かに頷いた。