「自殺って可能性は？」


今度は遠藤大輔が質問してきた。


麻里子は答える。


「警察は、たぶん自殺で考えてると思う。でも……あたしはそうは思えない」


「どうして？」


「昨日の夜、近藤さん……ひどく怯えてた」


「それは、おれたちだって一緒だよ」


遠藤大輔は不安そうな表情を浮かべる奈津美の肩に手を回しながら言った。


怖い気持ちはみんなも同じなんだろう。


でも昨日の近藤さんの怯え方は普通じゃなかった。


一緒にいて恐怖すら感じたくらいだ。


麻里子がそのときの様子を話すと、みんなは黙ってしまった。


そんな重苦しい雰囲気のなか、


「どうして、そんなに怯えてたんだろう」


と、大久保佳奈子が呟いた。


その疑問に、麻里子がゆっくりと口を開く。


「近藤さんは、このあとどうなるか知ってたみたい」


「……どういうこと？」


加奈子が聞いてきた。


麻里子はコクリと頷くと、話しを続ける。