「ふたりとも、どうかしたの?」


どこか様子のおかしいふたりに麻里子は声をかけた。


すると、しきりに辺りを気にしていた本条ゆかりが、静かに話しを切り出した。


「今日ってさ、お店貸切だよね? あたしたちの他に、誰か来るとか聞いてる?」


「え?」


麻里子には彼女の質問の意図がわからなかった。


いや、麻里子だけじゃない。


隣にいる奈津美と加奈子も、


向かい側の席に座っている犬飼も、


麻里子と同じく疑問の表情を浮かべていた。


「たぶん……あたしたちだけだよね?」


なぜかゆかりは強張った表情で聞いてきた。


「そうだと思うけど、それがどうかしたの?」


二人の様子が気になった麻里子は聞き返す。


すると突然、ゆかりの隣にいた元木彩がガタガタと震え出した。