なんにしろ、仕事モードから切り替えのように眼鏡をはずした『リアル香月遥』は、


そんじょそこらのモデルや俳優なんか目じゃないくらい、かっこよすぎた。


「待たせたな」


「いえ…」


立ち上がると、背も180近くある。


…ずるすぎる。


風邪でぐだぐだの時でさえきれいな顔立ちだと思ったのに、普通の状態だと更にオーラに磨きがかかってる。


「どうした?ぼーっとして」


「あ…っと…」


見とれてましたなんて、とてもじゃないけど言えない…。


きっとこの人は、自分の容姿について、十分すぎるほど理解してるだろうから。


何を言っても陳腐なセリフになりそうで、曖昧に笑ってごまかすことにした。