ひとりベンチにたたずみ、春樹は写真を見つめていた… 幸せが溢れ出してくるような写真… 二人の表情が何よりそれを教えている… 自分を笑顔で見てる可奈… それを撮っていた自分もきっと笑っていたんだろう… 今まで、死んでしまったマリコの姉…瞳以外、こうして自分がカメラを構えた事なんて無いはず… きっと二人で撮った事も… 自分が覚えてない為に、彼女をあんなに泣かせてしまった… こんなに笑っていた彼女を… どうして覚えてないんだ… そんな自分が春樹はもどかしかった…