「平気…これくらい何ともねぇって。」



そう言って強がる池澤は、自分でナイフを引っ張り、手から抜いた。



「……っ!!」



ナイフを抜いたせいか、止まっていた出血がまた…



「池澤…」



こういう時はどうしたらいいんだっけ…?



「穂波、とりあえず止血しよう。タオルとか…何かない?」



あたしが迷っていると、綾芽が提案してくれた。



止血…



辺りを見渡し、使えそうなものを探す。



「そうだ…!」



そう言えば、鞄の中にタオルがあった…



タオルの存在を思い出し、あたしは自分の鞄を開ける。



そのタオルで池澤の傷口を覆うと、タオルの上から少し力を入れて押した。