次の日─



あたしが朝、目を覚ますとお母さんの姿はなかった。



代わりに、机の上にあった手紙。



あたしはそれを手にして、読んでみた。



【穂波へ

仕事を探しに行って来ます。
ちゃんと鍵を閉めて学校行くのよ。じゃあね。】



もう行っちゃったんだ…



お母さん、いい仕事が見つかるといいな。



あたしはそう思いながら学校に行く準備をする。



まだまだ時間は余裕。
こんなに早く学校に行ったことはないけど…



でも、早く学校に行けば池澤に会えるし、遅刻もしないし、悪いことは何にもない。



制服を着て、髪をセットした後、鞄を持って家を出る。



早く学校行こ…



そう思いながら鍵を閉めていたその時…!



「穂波…?」



誰かがあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた─



この声って…



「侑隼…?」