「それに…
お前も…いるんだろ?」
その言葉の意味はわかんないけど、池澤はまたあたしに笑顔を向ける。
「うん…」
とりあえず頷いておくことにした。
「入学式…1時間ちょっとあるみたいだけど、どうする?」
どうするって…
ここにいる限り、今更戻ることも出来ないし…
「お前は話嫌いみたいだし…だからって黙ってるのも変だし…」
池澤は辺りを見回し始め、何かを探している。
「…あっ!それだ!!」
何かを見つけた池澤は、それに指を差した。
「…?」
指が差しているものは…
あたしの手元。
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