『それでは!!!ブチュっとやっちゃってくださ~い』


観客がものすごく注目している。


関係ねえよ。客なんて。

俺は、ゆいだけ見れればいい。


「りょーちゃん…できる?」


「心配すんな」


ゆいの髪を後ろに流す。
すると、俺の大好きなゆいが、赤くなっていることがよくわかった。


「ゆい…大好き。」


俺は目を閉じて、ゆいの唇を探す。


唇が唇に辿り着いた時には、理性がぶっとんでいた。

「んんんッ…」


激しく、優しく、深いキスをゆいの唇におとす。

キスッて、形でやるもんじゃないんだ…ということがわかった。


ゆいを好きッて気持ちが、俺の唇を伝ってゆいの中へと流れ込んでゆく。


「んふッ…!!」


俺は舌を入れて、ゆいの小さな口の中を、確かめるようになぞってゆく。


「ん…あッ…」

コクンッ、と、ゆいの俺の唾液を飲む音が聞こえて、目が覚めた。


慌てて口を離す。


「ゆいっ、ごめん…俺、一人で夢中んなってた…」


ゆいは息を切らしながら、

「一人ぢゃ…ないよ…」

とつぶやいた。


「え?」

「あたしも…夢中だったの!」


顔を真っ赤にして言うゆいが、たまらなく可愛くて。

大勢の人たちが見ているのも忘れ、ゆいをギュッと抱き締めた。


【ワアーーーッ!!!!】


「え!?」二人が振り向くと、


体育館にいる観客全員が立ち上がって拍手していた。

『優勝は、満場一致で…バカップルペアに決定!!!!』

「バカップルペア!?」

「俺ら…バカップルに見えてんのか?」


「わかんない…」



そして、俺たちはベスト☆カップルコンテスト優勝ペアとなり、しばらくの間色んな奴から変な目で見られた。



でも、そんなの気にならない。

ゆいが、ぢゃあ今度はHを教えてあげるとか言い出したからだ。


本当に…教えてくれるんだろうな?
期待しちゃうからな!!!





ちなみに、優勝賞品は…
"二人の愛"というベタな展開で結局何ももらえませんでした…(泣)