「いい加減やめたら〜?
そんな所帯持ちなんて」


大学の学食。

退屈なゼミを終えた大勢の学生たちで賑わっている。


ダイエット中だと言いながら、カルボナーラを口に運ぶ悪友の渚はアッサリと言ってのける。

「お互い遊びって割り切ってるなんて嘘でしょ、そんなの。だってその彼のコト本気でしょう?瞳子」


返す言葉が無い。

長い付き合いのこの悪友には何もかもお見通しのようだ。

「別にあの人を奥さんから奪おうとか思ってないし、あの人の家庭を壊すつもりも無いもの。お互い今を楽しんでるだけなんだってば、本当に」

自分で言っておきながら、説得力の欠片も無い。