…………玄さんの声だ。 体格の割りに少し高い、でも太くて男らしい、よく通る声。 大好きな声。 たった2日聴かなかっただけなのに、懐かしく感じてしまう。 「瞳子…?」 「……うん」 「会社休んでたやろ。……なんか心配なって」 「………」 「……って俺か、原因は」 苦笑いの混じった玄さんの言葉が胸を締め付ける。 「今駅まで来てる。……出てこれへんか」 ときめきと不安が胸を掠めた。