―――長い沈黙の後、立ち上がり、服を着る気配がした。 この場から消えて無くなりたい。 悪い夢だったらよかった。 遠ざかる足音。 夢じゃない。 「……ホンマ ゴメンな」 ドアの閉まる音。 まだ、ベッドの中で動けない。 まだ、涙は止まらない。 玄さんが出ていった後の部屋はやけに静かで、その時初めて外は雨が降っていることに気づいた。