「浅井君、毎日一緒に帰れるん?」


 「塾がある日は無理やなあ。」


 「塾、行ってるんや。いつ?」


 「火、木、金。」


 「…週3も行ってるんや…」


 知恵ちゃんの言うとおり色々聞かな分からんなあ。


 …浅井君は自分から喋るタイプじゃないやろし。


 「いいや、その日は知恵ちゃんと帰ろ~。」


 「知恵ちゃん?」


 「中学からの親友。今度紹介するな。」


 「うん。」


 あ、一番聞かなあかん事忘れてる。


 「ケータイ!携帯持ってるん?」


 「うん、あるで。」

 浅井君はそう言って携帯電話を鞄から取り出した。


 「学校では、ほとんど使わへんけど。」
 
 
 「これって最新のんやん!入荷待ちでなかなか手に入らへんって聞いたけど。」

 
 「僕、新商品に弱くて、すぐ欲しなるねん。」


 携帯っていい値段するのに親が買ってくれるんやろなあ。


 「私のも凄いで。…ジャーン!」


 私は改心の出来のデコ電を見せた。


 「うわーっ、凄いな、これ。」

 浅井君は目を丸くしてまじまじと携帯を見てる。