その理由はすぐに分かった。


 人混みの中でもあんなに光を放つオーラを持っている生徒は他にはいない。


 「浅井君!」


 人混みの中から彼女が飛び出して来た。


 周りが一層どよめきだす。


 彼女は僕の両腕を掴んだ。


 僕は緊張して鼓動が早くなる。


 「ふ、藤田さん、どうしたん?」


 彼女が僕の顔を見つめてくる。


 動揺させんといて。

 只さえ近距離なのに。



 「帰り、どうする?」


 「え、帰り?」


 「他に予定があるんやったらいいんやど…」


 彼女はもじもじしながら聞いてきた。



 そうか。


 僕が告白して、彼女が受け入れたって事はそうなるんか。


 こうして僕は藤田さんと付き合う事になった。