食事が済み、いよいよ出発。


先ほど言っていたとおり、陶子さんは本当にゆっくり歩いていく。


俺はただ黙々と陶子さんの後ろをついていった。


5合目を出たあたりはまだまだなだらかで、ハイキング気分だった。


前を行くツアー客と思われる団体には、結構年配の人も多い。


家族連れと思われるグループもいて、まだ小学校低学年じゃないかと思われる男の子は、元気に走って俺たちを追い抜いていった。


じいさんばあさんや小学生に負けてられるかとも思うけれど、俺は陶子さんとの約束どおり、ペースを守って陶子さんの後をゆっくり歩いていった。