陶子は、仕方ないというようにため息をついて言った。


「じゃあ、こうしない?
あなたが今の私のように自分の道を見つけて歩き始めたら、私に会いに来て。
あなたが今の私の年になったときには私は40歳だし、その時私にはパートナーがいるかもしれないけど、それでもよければ」


「12年後?」


「もっと早くにあなたが自分の道を見つけたら、5年後でも10年後でもいいわよ。
でも、ちゃんと大人になってなきゃ私は認めないけどね」


俺は眉間にしわを寄せた。


「ちゃんとした大人ってなんだよ?」


「自分のことを全部自分でできて、自分でやったことにきちんと責任を持てる人」