ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜


その後、ウシオの携帯は順々にみんなの手に回され、


自慢の彼女の姿は、劇団全員にお披露目されることになった。






ウシオがどんな人と付き合っているのか、気にならないと言えば嘘になる。




彼の携帯が私のところに回ってきたとき、


私は覚悟を決めてそれを覗き込んだ。






…小さな液晶画面には、


職場の飲み会か何かの席で撮られたような写真が映し出されていて、


ウシオと小柄な女性がツーショットで写っていた。






これがウシオの…と思いつつ女の顔を凝視すると、


彼女は童顔で、確かにかわいらしい顔立ちをしていた。



30を少し過ぎたとはいえまだ若々しくて、年を聞かなければ学生のように見えるくらいだった。






純情そうな顔をした彼女には、私みたいにドロドロしたところがないんだろうな…。


やっぱりウシオには、こういう人がお似合いなのかも…。




不倫なんかして、汚れきっている私なんかよりずっと…。