「こんなこと言うと悪いけどさ…、マユコには昨日いい思い出をもらったから、それだけでもう十分だよ」
え…?
「ごめんな…。マユコは俺のこと、単なる友達くらいにしか思ってなかったのに、あんなことしちゃってさ…」
ウシオ…?
「不倫の彼のことも、もうやめればとか言ったことも謝るよ…。俺にはそんなこと言える資格全然なかったのにな」
そんな…、
そんなことないよ…。
だって、
ウシオは私のためを思って言ってくれたわけでしょ…?
「俺…、もうマユコのこと追ったりしないから、マユコはマユコで、彼との恋に頑張れよ」
「……」
嫌だ…。
ねえ、
そんなこと言わないでよ…。
あんなに私のこと、好きだ好きだって言ってくれてたじゃない…。
「ま、何かあればまた相談にのってやれると思うし、これからも友達としてよろしく頼むな…」
“友達”…?
嘘でしょ…?
ねえ、
嘘だよね…?

