ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜


「俺酔っ払っててさ…、マユコのこと、傷つけちゃったよな…?」


「は…?そんなことないよ…。ウシオの気持ちは私も嬉しかったし…」


「そう…?」


「うん」




私は笑ってみせたのに、


ウシオはなぜか急に真面目な顔をした。




「ごめんな…。でも俺、これでやっと踏ん切りがついたよ」


「え…?」




“踏ん切り”?




「何…?何か踏ん切ることがあったっていうの?」




私の問いかけに、


ウシオは突然予想外の言葉を言った。




「実は俺…、少し前に同僚から告白されててさ…、その人と付き合おうかどうか迷ってたんだ…」




え…?






…寝耳に水だった。




「俺、マユコのこと好きだったから、しばらく返事を保留にしてもらってたんだけど…、昨夜マユコとこんなふうになれて、今頃だけどやっと自分の気持ちに踏ん切りがついたよ」




「ウシオ…?」




「俺…、その同僚と結婚を前提に付き合ってみようと思う」






…それは、


これから彼と新しい人生を送れると思っていた私にとって、


衝撃の一言だった。