「やっぱり私は彼の一番にはなれないんだなって気付かされた…」
「……」
「私…、やっぱトモシと別れた方がいいのかな…?」
「……」
「何の罪もない子供から…、彼の奥さんから、トモシのこと一瞬でも借りたりしちゃダメなのかな…?」
「……」
「ただ出会うのが少し遅かっただけ…、タイミングが悪かっただけのことなのに…、どうしてこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだろ…」
「……」
「どうしてこんなに悲しい思いをしなきゃいけないんだろ…」
「……」
「どうして…っ…」
…そこまで言ったところで、
私は驚いて顔を上げた。
「ちょっ…」
なぜなら、
ウシオが座椅子越しに私を後ろから抱きしめてきたからで。
「ちょっ…、ウシオ…?!」

